「じゃあまあ、何故か外は嵐ですが───」
『ミニ運動会、は組優勝おめでとうー!!』
わあー
ぱちぱちぱちぱち
「いっやぁ俺ら頑張ったよなー!」
「まあ、忍者に必要な技能とかでは全部ビリだったけどね」
「ネタ的なものでは全部一等だよ!」
「それって誇れるのかな…」
「それはともかく、乾杯しようよ!」
「『ケチケチ・ジュース』だけどね」
「いやぁ相変わらずうっすいなー」
「いやぁ相変わらずマッズいなー」
「文句あんなら飲むな!」
がらっ
「おっ、やってるなお前ら」
「土井先生!」
「ほらほら座って座ってー!」
「おいおい、あまりはしゃぎすぎるなよ」
「山田先生は?」
「ああ、もう少ししたら来られるよ」
「はい、先生にもジュース!」
とくとくとく
「おー、ありがとう」
…ぶば。
「あ、吹いた」
「ぬなな、なんじゃこりゃー!」
「きり丸の『ケチケチ・ジュース』です。慣れると平気」
「そっかー、土井先生はまだ飲んだことなかったんだな」
「山田先生は耐性ついてると思うね」
「お前らそんな耐性つくとかつかないとかいうモン飲みながら祝賀会するなよ…」
「なんでもネタにして騒げるのがは組のよいとこです!」
「少しは控えることを学んだ方がいいと思うぞ…」
「そ、そんなっ、土井先生! 私たちはこんなに場を盛り上げようと、必死で努力しているのにっ!(涙)」
よよよ…
「ら、乱太郎?」
「それを、…それを、『控えおろう』だなんて!!」
「いやそんなことは言っとらんが…」
「酷いです土井先生!(聞いてない) …いざ、お覚悟!」
じゃきーん
「お、おいおい!」
「どうしたんだよ乱太郎!」
「お前が土井先生に勝てるわけ無いだろ!?」
「もーんどーう無用おおおお!!」
ずばしゅっ
「やめんかバカ者ー!!」
「で、殿中でござるー!!」
「酒でも飲んだか乱太郎ー!?」
「土井先生かくごー!」
「ってしんべヱお前まで何やっとんじゃー!?」
「でーんちゅーでござーるー!!」
:::*:::*:::*:::
「…で、結局なんだったんだ?」
しうううう
「何もぶたなくても…」
「刀を抜いてそんだけで済んで良かったと思えバカタレ!」
「えーと、私としんべヱがおかしくなったでしょ?」
「は?」
「これぞまさしく、」
『ご乱心〜! なんちて。』
ずるっ
「お、お前ら…」
「もしかして、そのネタやりたかっただけなの?」
『うん!』
「なんじゃそりゃー!!」
「あはははは、ご乱心ペアかー!」
「でもそういうネタなら、僕らだってやれるんじゃないか?」
「え、三治郎と兵太夫?」
「なになにー?」
「そんじゃやってみよっか、三治郎」
「いいよー。…えっと、三治郎でーす!」
「兵太夫でっす!」
『二人一緒にー、さんぺーです!』
むに
「だはははは!」
「そっか、『三』治郎と『兵』太夫で『さんぺー』ねー!」
「やるなあ二人とも!」
「なあなあ虎若、僕たちもやってみようよ!」
「え、何かネタあるの?」
「えっとね…」
ごにょごにょ
「…なーるほど、アリかも」
「お、今度は団蔵と虎若?」
「いけいけー!」
「うっし。…虎若です!」
「団蔵です!」
『二人揃ってみんなにエール、頑張れワカゾー!』
「あはははは!」
「なるほどー!」
「同室コンビかあ、じゃあ次喜三太と金吾やってよ!」
「ええええなんで僕たちまで!?」
「ここまで来たらみんなやんなきゃだって!」
「伊助、てことは僕らも…?」
「そだね、庄左ヱ門…」
「ねぇねぇ金吾、どうするー?」
「そうだなあ、とりあえず名前ネタで行けばいいだろうから…」
ごにょごにょ
「…でいいんじゃないか?」
「うん、分かったー!」
「お、なんだなんだ?」
「よーし、行くぞ喜三太! ───金吾です!」
「喜三太でーす!」
『僕たち二人で、KinKiキッズ!』
「こういちー!」
「つよしー!」
「あははは、金喜キッズか、上手い!」
「なあ、KinKiなら歌えよ!」
「♪すてーい、うぃーず、みー、」
「♪硝子の少年時代の〜」
『♪はーへんが胸へと突っき刺っさる〜!』(大合唱)
「お前ら時代考証無視しまくりだな…」
「♪バスの、窓の、君に、背を向けーる〜」
「ていうか金吾スッゲェ歌うめえー!」
「よっ、堂本!」
「いや皆本だってば」
「次は庄左ヱ門と伊助ね!」
「うーん…。…じゃあ伊助、さっき考えたやつで行くよ」
「うん、分かった」
「お、ネタ合わせ済み?」
「ちょっとだけね。…黒木庄左ヱ門です!」
「二郭伊助です!」
『僕たち二人、黒い兄弟さ!』
「ジョルジョー!」
「アルフレドー!」
「ちょっと待てお前ら、時代考証どころかネタがマイナー路線走り過ぎだ!」
「何言ってんスか先生、スパッツァカミーノはみんなの合言葉ですよ!」
『スパッツァカミーノ! 煙突掃除はいかがですかー?』(デュオ)
『スパッツァカミーノー!!』(大合唱)
「頭痛が……」
がらり
「おお、盛り上がっとるな」
「あ、山田先生!」
「座って座ってー!」
「ジュースどうぞー!」
「いやいらん(キッパリ) やけに楽しそうだが、何をしておったんだ?」
「いや、今同室の子供たちが二人組でネタ披露大会をしていたんですよ。自分たちの名前で、いろいろと…」
『ご乱心ペアです!』
『二人でさんぺーです!』
『頑張れワカゾー!』
『KinKiキッズです!』
『黒い兄弟です!』
「なるほどのお、しかしよく考え付くな…。おい、きり丸はやらんのか?」
「えー、だって残ってんの俺だけですよ? 先生たちがどっちか付き合ってくれるならまだしも、一人で何やれってんですか」
「うーん、まあそうだが…」
「いいじゃないか土井先生、付き合ってやりなさいよ」
「わ、私がですか?」
「わあ、土井先生ときり丸だって!」
「なになに、なんかネタあるのか?」
きゃー
「おいおい…」
「じゃあ先生、ネタ合わせしましょうよ。大丈夫ですよ、どうせ一発芸なんだから」
「仕方ないな…」
「ええと、単発で───」
ごにょごにょ
「…ってのはどっスか?」
「成程なあ」
「後、付け足しでごにょごにょ」
「…まあ、良いだろう」
「うし、じゃあ早速やりますか!」
「よっ、待ってました!」
わー
ぱちぱちぱち
「ああもう…。…土井です!」
「きりちゃんでっす!」
『二人揃えば、どっきりコンビ!』
「あははは、なるほどー!」
「先生ひきつってるー」
「土井先生が片割れな時点で、どっきりコンビって言うかどっきりさせられるコンビって感じだけど」
「頼むからそれを言うな…」
「あと、こんなパターンもあるぜ」
「…えー…半助です」
「やっぱりきりちゃんでっす!」
『二人揃えば、はっきりコンビー!』
「はっきりー!(笑)」
「まあ、二人ともはっきりものを言うからなあ」
「きり丸の態度もはっきりしてますよ…。主に銭関係」
「確かに……」
「んで、最後ー」
「まだやるのか…。あー、やっぱり半助です」
「懲りずにきりちゃんでっす」
『二人揃えば、すっきりコンビ〜!』
「うわ、三段構えのネタで来るとは…!」
「やるなきり丸!」
「ふっふっふ、というわけで俺と先生で、どっきりはっきりすっきりコンビでしたー!」
「どっきりしてばかりだとはっきり分かってすっきりしないコンビかもな…」
「先生何言ってんですかー」
「いやなんでも…」
「ねぇ、山田先生は何かやってくれないの?」
「おいおいワシもか!」
「あったりまえー!」
「皿回しとか?」
「猿回しとか!」
「出来るかー!!」
きゃーっ
「…たまにはさ」
「ん?」
「こんなのも、面白いね。」
「…そうだね」
「みんなで一緒に騒いで」
「ああ」
「…せめて、卒業まで、誰も欠けないといいなあ」
「……ああ。」
「ずっと、今が続くといいのに」
「…それは、どうだろ。」
「…そうかな」
「みんな成長してくから面白いんだ。と思うけど」
「うん」
「…でもさ」
「ん?」
「───今のこの気持ちだけは、変わらないといいな。」
「……うん。」
始まりは弟の『土井先生ときり丸って二人まとめてどっきりコンビだよね』の台詞から。
意味不明な話ですみません…
は組の生徒たちはいつも騒いでるけど、担任も交えてのバカはあんまりやらないのでたまにはいいんじゃないかと(笑)
最後に会話してる二人が誰かは、ご想像にお任せします。