回廊にて  ───文次郎


 文次郎は、走っていた。

 何処までも続く無限回廊が、彼の前には広がっている。牡丹色をした天鵞絨の絨毯に足を取られながらも、彼は張り詰めた使命感に突き動かされ、己の全速力でひた走っていた。
 規則的に設置された壁に造り付けの燭台が、彼の行く手へと退廃的な灯りを投げ掛ける。

 不意に彼は懐に手を伸ばし、淡黄色で 紡錘の片端が中途で断ち切られたような形の容器を取り出した。走る速度は緩めないままに、一抱え程もあるそれの尖った方の片端を銜えて苛立たしげに白い蓋を吐き捨てる。
 その容器を逆さにして、文次郎はそれを片手に掴み軽く握った。細い口から、淡黄色の半固体状のものが緩く流れ出す。それは駆け抜ける彼の後方に、一筋の軌跡を描いた。



 彼はただ走り続ける。何かに駆られ、ただひたすらに。

 残された一条の白い軌跡は彼の抑えた焦燥を知るかのように、時折乱れ、淀み、途切れ、しかし決して尽きることは無かった。



 足音は天鵞絨に飲み込まれ、彼の痕跡を残すのは一つ。
 それは彼を救う蜘蛛の糸となるのか、彼を追う蜘蛛の糸であるのか。
 駆ける理由も分からぬままに、彼は前へと進みゆく。




 闇に飲まれたその後には、ただひとすじの印だけが淡く光っていた。





夢のおかしさにも磨きがかかって参りました秋野です。最近夢で自重ってどうやったらいいんだろうと考えるようになりました。

えー、今回はもんじがひたすら回廊を走ってる夢でした。
それだけならまあ良いんですが(いや意味分からん)、ヤツが途中で何かを取り出して走りながら印をつけ始めたワケです。


それが何故かマヨネーズだったんですよ。


しかもカロリー1/2の白いキャップ(徳用サイズ)でした。

彼はおもむろに懐からそれを取り出し、口でキャップを開け、逆さにして、



こう、ぶっちゅうううううううと。



何がしたいんだか全く理解出来ませんでした(むしろ自分の頭の中が理解出来ませんでした)


しかし私の夢にはカロリー1/2マヨネーズが頻出する気がします…(以前友人が白キャップマヨを持って天空から神々しく降臨してくる夢を見ました)(なんだかな)